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市民行進の撮影時期

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この写真は佐藤三郎氏による「ふるさとの想い出 写真集 明治・大正・昭和 酒田」に掲載されているもので、雪景色の市内を行進する学生を上から写したものです。キャプションとして「昭和14年2月11日の紀元節当日であろう」とあります。この頃、毎年紀元節(現在の建国記念日)には市民行進として紀元節を祝っていました。
なお、この写真の左側に映画ポスターが写っていることから、撮影時期を特定してみたいと思います。この5本の映画の中にアメリカ映画(ランドルフ・スコット主演の「テキサス人」パラマウント作品、日本初公開 昭和14年8月1日)が1本含まれていることから、アメリカとの開戦前であることがわかります。ほかの4本を東京での公開年月日順に並べると以下のようになります。
 昭和15年3月21日「名月赤城山」(日活)
 昭和15年5月11日「結婚の価値」(松竹)
 昭和15年9月1日 「二人の世界」(東宝)
 昭和15年10月31日「鉄の愛情」(日活)
ということは、この写真は昭和15年10月31日よりも後に撮影されたことになるため、昭和16年の紀元節であろうと推測されます。なお、昭和16年2月は国策による新聞統合により酒田新聞や両羽朝日新聞が前年末に廃刊となり、昭和16年4月に「酒田毎日新聞」が発刊されるまでの空白期であることから、この期間の上映作品情報を新聞等で確認することはできない状況にあります。(ちなみに「山形新聞」は庄内の映画館情報は掲載なし)

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昭和15年2月11日の奉祝行事を報じる「酒田新聞」



Commented by クレオール at 2025-09-26 17:13
8/12からだいぶ日にちが経過してますが
大丈夫ですか?
by sakata1964 | 2025-08-12 21:27 | Trackback | Comments(1)

酒田における昔の出来事について紹介します。時間の経過とともに人々の記憶から忘れ去られた事柄にスポットライトを当てることにより、過去が現在とつながっており、現在の酒田も過去の上に形成されたものであることや過去の記録や資料を未来に確実に残すことの意義を認識してもらえたら幸いです。


by sakata1964